【要約】1社のみの応札ばかり
2025年大阪関西万博に向けた会場整備工事の入札状況は、期待された結果とは異なり、1社のみの応札が続き、落札率は高いものの、競争が見られない状況となっています。最初の入札では、1社だけが応札し、約66%の落札率となり、その後の再入札でも類似の状況が続いています。落札率は、参加業者数に応じて変動し、1社のみの応札時には98.7%と非常に高いですが、参加業者が増えるにつれて落札率は減少し、3社以上の参加時では89.4%に落ち込んでいます。
万博の会場整備には、政府、大阪府、大阪市、経済界が均等に約250億円を負担し、建設工事はデザイン重視のために難易度が高く、参加業者が限られる要因となっています。また、資材費や人件費の急増も、入札参加業者の減少に影響を与えています。入札不調の原因として、利益を見込めない工事であることや、特殊な構造物に対する他社の参加のためらいが挙げられています。これに対して、楠の木教授は、入札プロセスの見直しを提案し、自由競争の結果としてこの状況が生じた可能性があると指摘しています。
さらに、建設業者がリスクの高い短期の大規模工事に消極的であることが明らかとなり、この状況が続けば、大阪の公共工事全体に波及し、公共工事のコストが膨らむ可能性があることが懸念されています。
【今後の流れを考察】
今後、万博会場整備工事の入札状況が改善されるかどうかは、業者の参加意欲を高めるための工夫にかかっています。特に、建設業者のリスクを軽減するための制度改革や、費用負担の見直しが求められます。また、入札プロセスの透明性と競争性を高めるために、政府や関係機関が積極的な調整を行い、業者が参加しやすい環境を整備する必要があります。もし競争が進まなければ、万博関連の建設費用が膨らみ、大阪全体の公共工事における予算の圧迫が進む恐れがあります。
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